風が「見える」季節

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暑すぎるのは確かですが、景色としては私が1番好きな季節がやって来ました。

緑、緑、緑

都会育ちの私にとっては、これでもかって言うぐらいの青々とした緑が広がるこの季節が1番好き。その中でも、「風が見える」この景色が大好きです。イネ科の植物は、葉の裏が白っぽいので、風でそよぐと、そこだけ周りの緑より白く見えるので、風がどこで吹いてるのかが良く分かります。私の母は、株間に水面が見える田植え直後の景色がお気に入りで、夫は稲刈り前の黄金色の景色が好き。それぞれ、お気に入りの「今」というタイミングがあるのです。

 

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近づいてみると、ひび割れ!?

梅雨が短かったので、水不足かと思われるかも知れませんが(そういう地域ももちろんあります)、活火山の麓である南阿蘇では、何年も何十年もかけて浸透した水があちこちから湧き出ているので、ちょっとやそっとじゃ水不足にはなりません。大地の恵みに感謝するばかり。

 

ではなぜヒビ割れているかというと、わざと水を枯らして、他中の有機ガスを抜いているのです。暑くなってくると、地中にある有機物が発酵してメタンガスが出てくるので、ガス抜きするのが、梅雨明けの工程。他にも、根っこを断ち切って、養分を穂にまわすように仕向けたり、土を固めて稲刈りの時にコンバインが入りやすいようにしたりと、いくつかの理由で一旦田んぼをほします。

 

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イネ科と言えば、田んぼではなく、畑に植わっている牧草も伸びてきました。田植えの後に一回収穫してますから、いわゆる「二番草」というヤツです。飼料代も高騰してるので、自家製の牧草は貴重なエサ。とは言え、肥料代も同じく上がってきているので、皆さん悲鳴をあげています。どの業界も同じだと思いますが。どうなっていくんでしょうね…。

 

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何はともあれ、良く乾燥した良質な牧草が収穫できました。子供たちにとっては、格好の遊具である牧草ロール。兄貴たちはもちろんですが、末娘もピョンッと飛び乗れるようになりました。

 

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娘と言えば。高齢出産だった末娘はまだ6歳ですが、若い時に産んでいたら、娘でもおかしくないような年齢の女子たちが次々と来てくれています。農業女子志望者が増えている、という実感があります。先日は、「農業をしたい」という2〜30代女子5人が手伝いに来てくれて、まぁ良く働くこと。頼もしい限りです。ただ、女性が1人で就農する事の難しさというか、現実を描いた「農ガール、農ライフ」という垣谷美雨さんの小説(フィクション)を読んだばかりなので、あんまり夢を持たせても悪いし、でも応援したい気は山々だし、という複雑な心境でした。

 

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まぁ、そうは言っても、やっぱり「やりたい!」という人が農業をやれるようにしていきたいので、地道な広報(?)活動も続けています。先日は、八代農業高校という高校で開催されている、高校生と社会人向けのセミナーに呼んで頂き、久しぶりの対面授業をしました。コロナや戦争で、食糧不足が危惧されている今、農業おもしろそう、やってみたい!と思ってくれる若者が1人でも増えていくことを願ってやみません。

 

私ができることなんてごく僅かですが、「諦めない」をモットーに、農家って良いよ、幸せだよ〜というメッセージを発信し続けたいと思っています。

 

皆さま、台風やコロナや暑さにくれぐれもお気をつけ下さい!